6度1割の法則

1in60

パイロットの世界で頻繁に出てくる小技の一つに「6度1割の法則」というのがあります。
これはずっと使う法則なので必ず覚えておきましょう。別名1in60。

_

◆◆
法則に関して
この法則はその名の通り、ある半径Rの円の中に6度の角度をとるとその弦の長さがRの1割になるというもの。
この下の図を見てください。弦と弧は近似してあります。
1in60

_

例えば、Rが10NM(海里)だったら6度ずらすとその弦は1NMあります。ざっくり結果だけ覚えておいてください。
実際の航法訓練では、計画のコースに対して10NM進んだ時点で1NMずれていたらその分だけ横風が入っていたことになるので6度風上に機首を向けて飛んでいきます。
昔のエアラインでは航法士(機長、副操縦士、航空機関士、通信士と一緒に。5人編成だったころ!)が乗っていてそれの少し複雑な感じの作業をやっていました。
_

◇概要・証明はwikipediaでも書いてあるので興味があればご覧ください。
http://en.wikipedia.org/wiki/1_in_60_rule
_
◇この動画も非常にわかりやすく説明してくれています。

_
◆◆
また、実際にアプローチのWCAにも使えますというお話をしてくださっている「エアラインパイロット目指してススムぜ
のブログのこのエントリーも大変参考になります。http://soratobo.jugem.jp/?eid=393

_
このブログの@ash_zkさん、NZで教官をされているそうです。学生を指導する側の目線で書かれた文章に感銘を受けます。
ash_zkさんのように自分も是非教える側になってみたいと思っています。また、あんな文章を書けたらなと尊敬しています。

◆◆

絶対に一生使うであろうこの小技「6度1割の法則」、是非覚えておきましょう。

紹介 KC
Pilot訓練生5年目。事業用操縦士・多発限定・計器飛行証明取得。

2 Responses to 6度1割の法則

  1. mikiowing says:

    こんばんは。6度1割の法則は上空で風を見ながら、次の進路のWCAを計算するのに大変便利です。私はあまり、細かく考えずに、3°6°9°12°と3°刻みでWCAを予想するようにしています。
    WCAを計算するのには、もうひとつ便利な法則があります。「1度Machの法則」たとえば、Mach.70で飛行している場合に1度WCAをとると、それは横風7kt分に相当する。という法則です。これも、上空で使うには便利な法則です。
    もしかしたら、既にご存知だったかもしれませんが。。。

    • KC says:

      小嶋様
      コメントありがとうございます!
      まだ私はマックナンバーで飛んだ事がなかったので大変参考になる情報です。ありがとうございます。
      訓練に入ったら早速実践してみます!
      最近は地上研修の勉強が多く、今回のコメントをいただき、運航に関して改めて勉強しておきたいなと思いました。

コメントを残す