ジェット気流と揺れの関係
2018年10月24日 コメントを残す
久しぶりの投稿です。
ジェット機になってもフライトの基本的な準備は変わりません。
まずは気象を確認する所から。
訓練生時代はあまり意味のなかった日本全体の気圧配置ですが、エアラインでは1日で北海道から沖縄まで移動することもあるので、ASASなどで全体図を把握することが大事です。
METAR, TAF, SIGMETさえあれば、普通に運航出来ますが、それでは3流パイロットと呼ばれてしまいます。
お客様をお連れする以上、よく分かってないところに連れて行くのはおかしな話ですので。
◇◇
今日はその中でも最も重要になってくるジェット気流の話です。
国際運航となると細分化してハドレー循環、フェレル循環など細かい理解が必要で、その度に視野が広くなるのですが、その話はまた今度するとして、今回は僕なりのジェット気流(Jp:Polar)の扱い方を考察します。
◇◇
かつてこんなキャプテンがいたそうです。
グレートキャプテンから見てグレートキャプテンの人なので今は80歳くらいでしょうか。
出社すると、「今日のジェット気流の場所と高度言え」
とだけ言うそうです。副操縦士が回答伝えると、
「じゃあFL280でファイルしとけ」と。
ジェット気流の位置だけで揺れや、その他諸々把握してあとは特に何も見ずに飛ぶという神がかり的な飛び方をされていたそうです。今では考えられませんが。
ここでパイロット愛読の書、AIMjの882を参照してみます。

図は右が南、左が北です。
CAT(Clear Air Turbulence)はパイロットとしては避けるべき事象です。
普通は無いですが、severe turbulenceともなると操縦性能にも影響が出ますので。
この図はかなり重要です。南北にDeviationする際、今日のJet軸の場所と高度をパイロットは毎回頭に叩き込んでおり、
「Jet軸を超えて北に行く時」は、かなり気を使います。
基本的にはJet軸の上に行くのが良いですが、重重量だと高高度に上がれないのでJet軸の下に行かなければなりません。
すると選択肢はざっくり言うと
・南に避ける
・ベルトサインを点けて北に行く
・降下する
の3つになります。
ここでAIMjの854を参照してみます。
ここで先ほどの選択肢を見てみますと、
・南に避ける
⇒Jetの南には低気圧が発生しやすく昼間ならHigh cloudが発生していて被雷の可能性あり。
CATエリアと低気圧性の積雲との安全性、快適性を天秤にかけることになる。
・ベルトサインを点けて北に行く
⇒短い路線ではサービスの中断になる可能性。揺れると分かっている所にわざわざ入っていくという判断はいかがなものか。
Bestな選択肢で無い可能性がある。
・降下する
⇒高高度の方が燃費がいい。長い路線の場合、低高度を長時間飛ぶと燃料が足りなくなる可能性あり。
AIMj854に記載の通り、CATのエリアは2000ft程度の厚さだから4000ft下げれば行けるのか。それは行ってみないと分からない。何分低高度を飛べばどれくらいの燃料消費になるか。予め計算結果をプリントして持っておこうかな。
というようなことを考えて飛んでいます。
勿論、実際はもっと複雑な要件が入っていますので、とてもじゃないですが条件を場合分けすることはできません。
温位が視覚的に見えるセンサーがあれば話は全く別ですが。
◇◇
訓練生時代にはあまり分からなかった気象も、実運航と重ねてAIMjなんかを読み返すととても勉強になります。
久々にAIMjを開いてみるのはいかがでしょう。
その時の自分のレベルに見合った再発見があるはずです。
◇◇
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