空の旅を科学する

空の旅を科学する
人工知能がひらく!? 21世紀の「航空管制」

今年読んだ航空関係の本の中で最も良かった本です。やや専門的であるからこその面白さがあり、航空関係の方々、特にパイロットや管制官の方であればスッと入ってくる内容でした。 
NASAエイムズ研究所で始まった航空管制科学。それに従事する日本で数少ないENRIの科学者の1人、伊藤恵理さんの著書。

航空管制の歴史を紐解く本でありながら、著者の伊藤さんの自叙伝でもあり、これまでの研究者としてのキャリアを臨場感ある描写で追体験できます。

科学者としての根性とプライドを感じる行動力に読みながら「カッコイイ!」と感化されました。

伊藤さんの世界中を飛び回った10年間を読んで私自身もモチベーションを頂き、さらに運航の品質の高いパイロットにならないとと気持ちを新たにいたしました。
航空業界の方、あるいは目指されてる方、少しでも航空業界に興味がある方は絶対に読むべき1冊です。

私は航空業界の未来を考えるには航空管制の青写真を見るのが有効だと考えています。
パイロットの視点では、「1人運航が始まったらパイロットという職業はどうなるのだろう」というミクロな視点で航空業界の未来を考えてしまいがちです。
しかしこの本を読んで視野が大きく広がりました。
伊藤さんもおっしゃる通りパイロット不在の旅客機に乗りたいという人は少ないと思います。私もこれには同感です。
だからといって無人やワンマン運航に反対と言うのではなく、安全、効率的な空の旅を提供するのにベストな方法をパイロットも模索・協力すべきだなと思えました。

先日発表があった管制をメッセージによるやりとりに置き換えるDATA COMM
これに加えて世界の一部地域では既に搭載義務のあるADS-Bの普及後の航空管制を見ればその先の2030年頃の航空機の仕様も見えてくるのではないでしょうか。
それが1人乗りなのか、2人乗りなのかは実験的な導入の結果次第なのかも知れませんが、どういう時流になろうともそれに乗って『自動車が発明された頃の馬車屋』の様な新技術を批判するパイロットではなくASASやFIMを使いこなせる柔軟なパイロットになっていたいなと思いました。

そしてアメリカの空では始まっているBest Equiped Best Serve(コストをかけて新しい器材を導入しているエアラインには短縮経路へのベクターなどの優遇制度)や、既にあるRNAVの導入であるPBNの様なPBOに基づいたTMA-TMの事を鑑みると、日本のエアラインもそれらに即時対応できるエアラインであるべきだとも思えたのも本書を読んだからです。

専門用語は多いですが丁寧に説明してあるので本書を読めば全てクリアになると思います。

日本の空はアメリカの空の追従になっているのは卑近な例で言えばWIFIの導入やEFBの導入を見ても明らかです。
伊藤さんも日本の航空管制科学の遅れは指摘しています。
しかし最近では2015年からJALの施設を使った管制のシミュレーションも出来るようになって来ており、これからのアジアの新たな管制を日本から創りあげられたらいいなと思いました。
先ほど述べたように私は航空管制の制度に合わせて航空機は進化して行くだろうなと感じています。
B777には無くてB787にはあるFMCへのFPA(Flight Path Angle)の入力も等角度の降下をベースとした管制への布石とも取れます。
爆発的に増えるアジアの管制に対応するためは超効率的な管制が必要です。

それが世界のスタンダードになれば、その超効率的な管制に対応した航空機が作られることとなります。
必要は発明の母なので、間違いなくイノベーションはアジアから起こるでしょう。

これから最も混雑するであろうアジアの管制から目が離せません。そこに航空業界の未来があると思います。

航空関係の本は相当読んでいる方だ思いますがこんなにメモを取りながら読んだ本は他にありません。

是非皆様読まれて見てください。

航空業界の未来にワクワクしますし、伊藤さんのファンになると思います。

本の中で良かった言葉を幾つかご紹介します。

電子書籍なので本文の%表示で。
□心に決めた3ヶ条(14.2%)

①独創的であれ

甘柿コースの駄目サイクル(=身内で褒め合うダサイクル)に入らないこと。

②説得力を持て

 1.科学的思考法→常識を疑う

 2.プレゼン能力

 3.英語(公用語として)

③人間を理解せよ

人間とコンピュータが仲良く共存する鍵は人間にあり。

□アイトラッキングしても全ての視覚情報を得られるとは限らない。(27.5%)

私がいつか教官になったらクロスチェック(適正な時期に適正な計器を見ること)を指導するのにアイトラッキングをしたいと思っていたので膝を打つ言葉でした。意外と間接視野で地平線を見てたりするもんですから。私の考えは机上の空論かもしれないなと思わせてくれました。
□目の前の出来事に意味づけするのは受け手になる人間の想像力(32.9%)

本当にその通り。ラッキーな人がいるのではなく自分ってラッキーだな、と思える人がいるだけ。ポジティブに生きたいものです。

□世界で1番深い谷を探すには旅の出発点は世界中にランダムにばらまいた方がいい。(遺伝子的アルゴリズム)日本にも航空の種を蒔くべきだ。byウィル(62.5%)

独占ではなく新技術は世界に発信。身近な事柄で言えば新しい知識や経験は他のパイロットともどんどん共有していきたいなと思いました。

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13.ピア・エフェクト

受験記を更新しました。

13.ピア・エフェクト

2年分の受験記を書いてみて振り返ると色々悩んだり考えていたなと思いました。
今回の13話で終了です。

長々となりましたが、お読みいただいた方々ありがとうございます。

情報の探し方

Twitterで数件「どのように情報収集をしていますか。」というメッセージをいただきます。

主に使ってるのは

・Googleアラート

・feedly

・Byline

ですが、ネット上の情報は瑣末な内容が多いのでやはり書籍の信頼性は高いです。
そこで、ネットでも唯一信頼に足る情報の検索の仕方ですが

『◯◯_go.jp』

と検索します。

◯◯(←検索したいもの)+スペース+go.jp
これにより政府が発行している資料が出てきます。

例えば、『パイロット go.jp』で探すと。

http://www.mlit.go.jp/common/001019364.pdf

平成25年の日本におけるパイロット事情の正確な情報が見れます。

もし「今後のパイロットはどうなるのだろう」と思ってもネットには載ってません。未来の事など誰にもわかりませんから。

そこで、こういう事は自分のアタマで考えるのが1番大事な作業になってくるのですが、その思考材料が正しくないと間違った答えが出てきますよね。

そういう時は是非政府の非営利の情報、特に統計などを利用してみてはいかがでしょうか。

◆◆

もちろん、この記事の内容が正しいのかどうかも自分でやってみなければ分かりません。
試しに◯◯_go.jpでググってみてください。

10.ポールポジション/11.再会

筆記試験への挑戦と結果の受験記

10〜13話(予定)まで一括でマガジンでもご覧いただけます。

ひとまとめでも、1話ずつ興味あるモノだけでも、読んでいただければ幸いです。

13話迄で完結の予定です。反響があれば続きを書きたいと思います。

T類の性能

T類の性能って?と先輩に聞かれて、全然わかりませんでした。

これは耐空性審査要領のT類のところ(第Ⅲ部)だけ見ていてもわからないのです。

広辞苑ほどの厚さがある『耐空性審査要領』は3つの章立てになっています。

I.航空法施行規則 付属書第一

Ⅱ.航空法施行規則付属書関連の告示

Ⅲ.耐空性審査要領

 

一般的にはⅢの第Ⅱ部(N,U,A,C類)、第Ⅲ部(T類)さえ見ておけば事足りるのですが性能に関しては

I.航空法施行規則 付属書第一

の2章を参照しましょう。

そこにはこう書いてあります。

◆◆

2-2性能

2-2-2-2耐空類別が飛行機輸送Tである飛行機(以下「飛行機輸送T」という。)、耐空類別飛行機輸送Cである飛行機(以下「飛行機輸送C」という。)及び1-4の規定により国土交通大臣が認定して告示した型式の飛行機は次の性能を有するものでなければならない。

a 速度が臨界点速度以上となった後に1個の臨界発動機が停止した場合においても、安全に離陸できること。

⇒簡単に言うとENG FAIL AFT V1でも安全に上昇出来る

b 離陸出力又は推力の許容時間を経過した後も1個の臨界発動機が不作動でありかつ残りの発動機が連続最大出力又は推力の限界内で運転している状態において、飛行場の周囲を高度を維持しながら1旋転できるような高度まで上昇できること。

⇒MCT(Maximum Continuous Thrust )でリバーサルDEPのようなSIDも対応可能

c 離陸経路上のいずれの点においても安全上必要な最低限度以上の勾配で上昇できること。

⇒ファーストセグメント~の話です。

◆◆

口述は得てしてこういう質問から始まります。T類の性能要件を問い易いからです。

9.平札と切り札

trump

いとこが教えてくれた受験突破の為の切り札と、ワイルドカードとは。
受験記更新しました。

8.CAC分析

のーと

8.CAC分析

を書きました。

前回の続きです。
意外に読んでくださってる方が多くて嬉しかったので久々に8000文字オーバーの記事を書きました。
読んでくれる方々に損はさせまいとボリューム多めの内容になっています。

勉強の息抜きに。
思考方法など、参考になればと思います。

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