Autopilotのモニター

ジェット機の操縦というと

・操縦の入力に対して反応がゆっくりだから難しい

・システムが複雑

・オートだから楽

という様なイメージを持っていましたが実際に当たってるのは上二つで

オートパイロットを入れたところで、そのモニターには結構神経を使うなーという感想です。
確かに、人間にとって一番難しいと言われる等速直線飛行なんかやらせれば一級品です。何時間飛んでも10ftもずらさないでしょう。

しかし、上昇・降下となるとパイロットが神経を使って監視する必要があります。
例えばオートパイロットに何を守らせるのか。
Path、スピード、降下率
色々ありますが、厄介なのはスピードです。
航空法82条の2、及び施行規則179条にあるように空中には多くの速度制限があります。
法律ですからオーバーする訳にはいきません。
しかし、オートパイロットへの入力次第では速度制限よりもPath(経路)を守ることの方を優先してしまう場合があります。

具体的には、降下経路を守るモードで飛んでいて、降下と共に背風になったとします。
すると経路を守るためにオートパイロットはどんどん機種を下げて行こうとします。
すると10000ft以下での速度制限250Ktをオーバーしてしまいそうになります。

よって、巡航中も含めてオートパイロットのモニターにはかなり気を使います。
操縦の入力に対して反応がゆっくりだから難しくてシステムが複雑でオートだからこその難しさがある、
のがジェット機だと思います。

それでも4万ftの景色やRVSMでの正面からの航空機との交差の迫力は初期訓練では見れなかった景色なので幸せだなと思います。

また、オートパイロットの使い方の幅は風や天候によってかなり変わってくるのでPFの性格とセンスが出ていて
オブザーブをさせていただく度に新しい発見があります。

◆◆
逆にオートパイロットは賢いなーと思うのは例えば巡航から降下の時、10000ft手前で巡航速度からしっかり250Kt以下に減速し始めます。
第5管制業務処理規定管制方式基準)の
(Ⅱ)-1-7 にあるように

注 10,000 フィート以下への降下を指定したとき、操縦士は、法第 82 条の2に規定
された制限速度へ減速するため、10,000 フィート付近で一時的に水平飛行(level
off)を行う場合がある。

の条項をしっかり行ってその減速分も考慮してETAを計算してくれるあたりは本当に優秀だなと思います。
あとは風のデータさえさらに細かく自動でアップリンクできれば相当いい精度のETAが算出できそうです。

◆◆
余談ですが、航空法の本のラベル、同期の多くがこんな感じで数十条ごとに貼っているので参考にしてみて下さい。

条文等、どこに何が書かれているのか理解しておくことはパイロットにとってとても重要です。
FullSizeRender1

 

IRSとGPS。レーザージャイロの関係は?INSは過去の物。

タイトルはまさにこの本を読んでわかった内容です。

前に紹介した「Avionics Lesson」です。

カジュアルに漫画で描かれているものの、内容的には一等整備士を目指している方向けに書いてあるので非常に詳しく丁寧に解説してあります。人気のようでamazonでは値段が高騰しています。

今は楽天にしか正規の値段での取り扱いが無いようですね。いちから始めるAvionics lesson [ 山崎正秀 ]

私がこの本を初めて読んだのは初期訓練中にVORのことを詳しく知りたかったからなのですが、旅客機でもとても役に立っています。
旅客機のセットアップをしていてIRUをセットアップする場面があるのですが、どういう仕組みなのか、なぜこの順番なのか、これを読んではっきりわかりました。

例えば、

・IRUが初めに行っているのは重力加速度の検知による仮想の平面の作成と機体のAttitudeの認識。
・レーザージャイロをつかって地球の自転の角加速度を検知してHeadingの検知。Latitude(緯度)を把握。
・そして現在地の座標を入力することで加速度計のスタート地点の設定
といった事を行っているバックグラウンドはマニュアルにも書いていないので改めて読み返してよかったなと思います。

初期訓練の座学の方でも「SBAS」や「GBAS」の仕組み等、言葉だけで覚えてしまいがちな内容でさえもしっかり原理を理解できるのでお勧めです。

計器進入まとめメモ

訓練が大忙しで最近はめっきり更新していませんがRNAVをはじめ、計器進入について日々勉強しています。
そもそも私にとっては計器進入に関して、非精密進入、APV、精密進入がごちゃごちゃになっていたので図にしてみました。この記事はメモを書き起こしたものです。

 

 

計器進入まとめ

こんな感じです。

まず、非精密進入(NPA=Non Precision Approach)と精密進入の違いですが垂直ガイダンスの有無です。これはGlide Slopeの様に気圧高度計ではない垂直ガイダンスのことですね。詳しくはAIM等ご参照ください。

そして非精密進入の中でもAPVとその他に分かれます。私にとってはここが特に理解できていませんでした。

APVは精密進入の要件は満たしていませんが垂直ガイダンス有りのアプローチです。ガイダンスと言っても気圧高度計になります。勉強していて一番詰まったのがBaro-VNAVとNPA using VNAV(CDFA)の違いです。

◆◆

まず、Baro-VNAVはチャートで方式が設定されているアプローチです。GNSSアプローチですね。旅客機のVNAV機能を駆使してMDAは設定せずにDAが設定されています。

CDFAと言えば、初期訓練で計器飛行を行うときにVORアプローチ等でMDAでレベルすることなく3度パスを計画してstabilized approachする練習でしたことがありましたが、大変難しくDMEと高度の確認をしていると逆に煩雑になってあまり得意では無かったのです。

しかし旅客機のVNAVを使えばワークロードを大幅に減らせるので便利ですね。

じゃあBaro-VNAVとあまり違いは無いのかなと思いましたがDAが公示されているか否かが違いの様です。もちろん保護空域は変わってくるのでそのあたりは飛行方式設定基準で要確認です。

VORアプローチ等のNPAのコースをVNAVを使って飛行するNPA using VNAVの保護空域はもちろんNPAと同じになりますので他にカンパニーミニマがあればそれに従うことになります。

 

またRNAVについても時間がある時にまとめたいと思います。

Contact Approach

Contact approach(AIM671

目的:主にターミナルレーダー管制業務が行われていない飛行場への進入で、計器進入方式による進入許可が発出された後にパイロットが要求した場合に進入方式の全部または一部を省略するために行います。RWY目視しながらなのでレーダー無し。

気象条件
・シーリングが進入開始高度以下でない場合。
・視程1500m以上でかつ「安全に着陸できると確信が持てる」とき。
パイロットからの要求でのみ行われる。
地上視程1500m以上である時に管制官が交通状況を考慮して承認。
しかしレディオ、リモートは通報するのみでいい。

パイロットの責任範囲(追記2016年3月15日)
・地上障害物及び他のVFR機との間隔維持
・後方乱気流の回避

 

◆◆

・IFRとのセパレーションは管制間隔によって確保されています。

そのため上限高度が指定されていることがあります。他に待機する航空機がいるかもしれません。

“Cleared for contact approach at or below 4,000ft.” という例がAIMjに載ってますね。

contact APP

 

 

 

 

 

 

最低待機高度MHA[3]とは、航空路上の1地点に設定され、その地点において、IFRの航空機が上空待機できる最低高度のこと。(Wikipedia)

Contact Approachは名前が近いのでVisual Approachとのちがい、という覚え方から入る方が多いと思いますが、実運航でどういった場で使うのかを知ったうえで考えると覚えやすいです。

 

 

Visual Approach

VisualAPP

 

 

 

 

 

Visual approach (AIMj671)
目的:空港を視認させて効率よくArrivalをさばくため。上図参照。

気象条件
・雲高+飛行場標高がMVA()+500ft以上高いこと
地上視程が5km以上
の条件でパイロット、管制官双方から要求、発出可能。

パイロットの責任範囲 (追記2016年3月15日)

・地上障害物と他のVFR機との間隔維持
・VMCの維持
・視認している先行機との間隔維持
・後方乱気流の回避
・地上物標が視認できなくなった時及び先行機に引き続く飛行が不可能になったときは直ちに管制機関に通報。

方法等
・レーダーベクターでDW等まで誘導する。
・例えば、通常ILSだとFinalの10NMから乗っていかないといけないのを短縮できる。

ATC:”Vector to DW/Final.”

MVAはパイロットには公示されていないので判断はできない。
大体、山+2000ftくらいらいしい。

こんな感じで他のアプローチもざっくり説明していきたいと思います。

Q: ILSの手順について

・アプローチでFAF到達時にストップウッチをスタートする場合、ギアダウンとタイムスタート、どちらを優先されておりましたか。
⇒FAFからは降下を開始するのでストップウオッチを使ったことがありません。どういう時に使うのでしょうか?

ギアダウンはグライドスロープがハーフドットまで下がってきた時に下げます。アプローチスピードまで減速してから降下します。
このあたりは訓練所の方針があると思います。


・また、タイムスタートを押すタイミングが遅れてしまった後にミストアプローチをするときにはDMEを参考にミストアプローチしておりましたか。
どのようにされていたか教えて下さい。

⇒ミニマムな状況では地上が見えないのでDMEです。

・ミストアプローチ後はやらなければいけないことがたくさんありますが、どのような手順でコール、計器の操作、操縦をされておりましたか。
優先順位や詳しい手順を教えて頂きたいです。

⇒まずはコールしながらMAX Powerと規定のピッチアップ(BE58なら7°)を同時です。
速度を確認後フラップを上げていきます。
計器の操作は対地400ftまでしません。ローカライザーをバックトラックするように既定の高度まで滑走路上を真っすぐ上昇後にミストアプローチプロシージャーです。
その時にVORに切り替える旨をCo-Pilotoに指示することもあります。

・ミストアプローチ後、経路に乗りホールディング場所に向かう場合、何ドットでどれくらいのカットアングルでコースに乗っておりましたか。
⇒ミストアプローチプロシージャーは場合によるのでその時々です。
最短で乗れるようにしていますが基本的に30°カットです。ドットについては「どれくらいずれたらexecuteするかという意味でしょうか。」だとすれば1ドットです。

・フラップはどれくらいの距離(いつ)で何度にしておりましたか。
ノーフラップランディングなどはありましたか。

⇒VORアプローチ時は対地300ftで30°にしていました。
ILSだとベースターン付近で15°にしてそのままLDGです。
フラップアップランディングは計器飛行ではやってないです。
双発の時にシングルエンジンでやりました。

ILSとカットアングル

ILSに乗るとき、大抵はアプローチゲートの関係もあり5マイル以遠で会合していきます。
では、実際どれくらいの幅のリードを取っていけばいいのでしょう。
今回は30°カット、45°カットの場合で考えていきたいと思います。また、RWY長は3000mとします。

まず、必要なデータは
1.RWY長→AIP。
2.ローカライザーの設置位置。→AIPもしくはグーグルアース。
3.計器飛行する航空機のローカライザーのフルスケールのドット数。→アビオニクスのマニュアルに書いてあります。

上記が揃えばローカライザーのビーム幅がわかります。

◆◆
例えば3000m滑走路を考えると、
ローカラーザーは進入側の反対側300mのところに設置されています。
ローカライザーのビーム幅は滑走路進入端で700ft(210m)となっています。
i320 (http://www.so-net.ne.jp/ より)

3000mの滑走路の場合アークタンジェントで計算するとビームの肩幅の角度は約1.85°になります。(tanθ=105m/3300m)
※長い滑走路程ビーム幅が狭くなるのでセンシティブな操縦が求められてくると言われいます。

◆◆
ローカライザーに会合するのは5NM以遠ですので
6NMから10NMまで1NM毎にその地点の片幅を表にすると以下のようになります。

3500m RWY

ここから重要なのが、オーバーシュートせずに乗れるのか。ということです。

言い換えると、ローカライザーが動いてからバンクを入れ始めて間に合うのかということです。
結論から言うと、速度にもよりますが近いと間に合いません。

ある速度(例えば120kt)に対して旋回ごとにどれだけ移動していくのか旋回1°毎に積分(?)して計算するのは難しいので
私は一律、ローカライザーに対して30°カットは0.3、45°カットは0.5をかけた値(自己流の値です)をローカライザー方向の速度と仮定して考えました。
標準旋回で30°、45°変針するには何秒か、ということから考えて以下の表にしました。
DMEの値に対してローカライザー何ドットから旋回を開始すればいいかを表しています。
ドット

この表の見方ですが、10NM地点で30°カットで乗ろうと思ったら(フルスケール2ドットの内)1ドットから旋回を開始すれば乗れるということを示しています。

※ただし無風。

黄色い部分の値は覚えておいて、その日の風を考えて旋回を遅めたり早めたりします。(これでピタッと乗れた時の爽快感は素晴らしいです。)

また、オレンジ色の部分ですが45°カットを7NM地点以内からしようと思うとローカライザーが動き出す前から旋回を開始しなくてはならないのでかなり難易度が上がります。というか成立させるのはよっぽどの向かい風でない限り難しいです。ですので基本的には30°カットがいいかと思います。

一方、例えば5.5NM地点で会合しそうで、そうなるとFAFが近すぎてカットアングルを大きくしないといけない場面もあると思います。そんな時も焦らずこの表を思い浮かべてギリギリまで引きつけてから30°カットアングルにした方が無難です。実際そうなってしまった場面がありました。そしてFAFを過ぎてしまったらCNL IFR以外に下す方法はないので悪天時はしっかりミストアプローチプロシージャーに従ってください。

◆◆

あくまでこの表は参考値として自分の値をその都度考えてリバイスしていくことが綺麗なローカライザーキャプチャーにつながると思いますので研究してみて下さい。

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