RNAV経路のMEA

RNAVと言えばGPSによってVORを結んだ航空路ではなく特定のポイント(FIX)同士を結び、効率よく飛ぶ航法の事です。

私が単発機に乗っていた頃には全然GPSなんてものは付いておらずがっつり地文航法をしていたのですが、最近の練習機には単発でもGPSが付いているらしく、先日アメリカから帰国したまだまだ初期訓練課程の後輩が「RNAV便利すよねー、Directガンガン要求できて。」とか言っているのを聞くと飛行機の見た目や性能は変わっていなくても航法や内部のハード、ソフト面では大きく進化しているんだなと感じます。

スマホの普及でGPS等が小型で安価になったことから始まったドローン業界よろしく、航空業界でも機上の装備の高性能化、小型化、安価の目覚ましい革新が感じられます。

初期訓練機に搭載されるようになったのですからそれでも採算が取れる程になったということでしょう。

◆◆
先日、エンルートチャートを見ながらRNAV経路(M,Y,Zの記号)を辿っていました。

MEAを調べるためです。
いくら上の高度が揺れたからといってMEA未満の高度に下げたりしないためにフライト前に確認していました。
これは初期訓練でも同じですよね。
するとRNAV経路は意外とMEA(Minimum Entoute Altitude)が、既存の航空路(A,B,G,R,V等)より高いことに気づきました。
ほぼ同じ場所を通るので経路における障害物間隔はそんなに変わらないのでは。

「GPSを使った経路だからMRAなどは無いはずなのになぜ。」

そもそもRNAV経路のMEAって通常経路の定義と違ったっけ?

そう思い色々調べました。
こういうものは飛行方式設定基準を見るのが一番です。
「第Ⅲ部RNAV」の 8章エンルート方式
これの8.1.6最低高度にはこう書かれてあります。

第Ⅱ部第3編第1章「VOR経路及びNDB経路」を参照の事

なるほど。通常の経路と同じということです。

書いてある通り第Ⅱ部の1.6.1最低高度
を参照してみると

経路の各セグメントに対して最小障害物間隔高度(MOCA)及び最低経路高度(MEA)を設定、公示する。

という見慣れた文章です。

MOCAはMOC(障害物から2000ft間隔)を設定した高度のことです。
またMEAは以下の内最大の高度
・MOCA
・経路を構成する航行援助施設の信号を適切に受信できる最低高度(MRA)⇒D=1.23√H の式で算出。(D:NM, H:ft)
・ATS通信を適切に受信できる最低高度
・ATS経路構成に適合する最低高度

となっています。
じゃあやはり通常経路より高度が高いのは?と謎は深まる限り。

よくわからなかったので近くにいた先輩に聞いてみると
「歴史的なもんじゃない?」
と言われました。

◆◆
RNAVといえばその歴史はたった10年程。
10年前の平成 19 年に広域航法の国際基準が制定されました。
これはまだ東京FIRと那覇FIRが統合されて福岡FIRになったばかりの頃です。

それから国交省はスカイハイウェイ構想を発表しました。
当時考えられていたのは、29,000ft以上をRNAV経路に義務化するという事です。
実際いまはそれ以下でも普通にRNAV経路はあります。

ただ、元々の目的が『スカイハイウェイ』だったので高い高度に設定されているようです。
先輩が歴史的なもの、と言っていたのも納得がいった次第です。

国交省の目標では長期目標(平成25年度~平成30年度以降)⇒航法精度±2マイルのRNAV経路
とすることで交通量をさらに増加させるとのことでした。技術的には0.3NM以内を飛ぶ性能を航空機は有しているので平成30年までには出来そうだなと感じます。

◆◆
つまり
・MOCA
・経路を構成する航行援助施設の信号を適切に受信できる最低高度(MRA)⇒D=1.23√H の式で算出。(D:NM, H:ft)
・ATS通信を適切に受信できる最低高度
・ATS経路構成に適合する最低高度
のうちの「ATS経路構成に適合する最低高度」
というのがポイントで歴史的にATS経路構成のRVSM運航高度であるFL290以上を想定しているからかなという結論に至りました。

改めて普通に考えると、同じ場所を通る通常経路のMEAと同じだと危ないですし、まさに「スカイハイウェイ」ということです。

10000ft、250kt以下

旅客機はこれまでの練習機とは大きく違って300kt以上で飛ぶことが出来ます。

そのせいもあり、これまであまり意識しなくてよかった10000ft以下で進入管制区内の

250ktの制限を強く意識しないと簡単にオーバーしてしまいます。

旅客機は数百億円するだけあってとても賢いため普通のモードでオートパイロットで飛んでいる分にはしっかりその制限を守ってくれます。

ただ、逆に言えば、進入管制区ではない所でも速度を守ってしまいます。AIMj2-2の見慣れた表にも進入管制区以外のClassEはただの航空交通管制区なのでEnrouteと同じく速度制限は特にありません。

効率よく飛ばすためには10000ft以下でも進入管制区に入るギリギリまでは250kt以上で飛ぶことも出来る、そういった工夫もあったりするんだなというのを最近知りました。

国土交通省のHPによると進入管制区が指定されているのは以下の場所。

まあ大体どこもやってるんですが進入管制区が無いところもあります。北海道の東側とか。こういった場所では効率のいい速度で行きたいものです。
進入管制区

T類の性能

T類の性能って?と先輩に聞かれて、全然わかりませんでした。

これは耐空性審査要領のT類のところ(第Ⅲ部)だけ見ていてもわからないのです。

広辞苑ほどの厚さがある『耐空性審査要領』は3つの章立てになっています。

I.航空法施行規則 付属書第一

Ⅱ.航空法施行規則付属書関連の告示

Ⅲ.耐空性審査要領

 

一般的にはⅢの第Ⅱ部(N,U,A,C類)、第Ⅲ部(T類)さえ見ておけば事足りるのですが性能に関しては

I.航空法施行規則 付属書第一

の2章を参照しましょう。

そこにはこう書いてあります。

◆◆

2-2性能

2-2-2-2耐空類別が飛行機輸送Tである飛行機(以下「飛行機輸送T」という。)、耐空類別飛行機輸送Cである飛行機(以下「飛行機輸送C」という。)及び1-4の規定により国土交通大臣が認定して告示した型式の飛行機は次の性能を有するものでなければならない。

a 速度が臨界点速度以上となった後に1個の臨界発動機が停止した場合においても、安全に離陸できること。

⇒簡単に言うとENG FAIL AFT V1でも安全に上昇出来る

b 離陸出力又は推力の許容時間を経過した後も1個の臨界発動機が不作動でありかつ残りの発動機が連続最大出力又は推力の限界内で運転している状態において、飛行場の周囲を高度を維持しながら1旋転できるような高度まで上昇できること。

⇒MCT(Maximum Continuous Thrust )でリバーサルDEPのようなSIDも対応可能

c 離陸経路上のいずれの点においても安全上必要な最低限度以上の勾配で上昇できること。

⇒ファーストセグメント~の話です。

◆◆

口述は得てしてこういう質問から始まります。T類の性能要件を問い易いからです。

Overweight Landing時の許容降下率は?

飲み会でENGINE FAILURE AFTER V1の話題になりました。
パイロットだけで飲んでいると共通の話題として仕事の話をしがちです。
離陸してすぐに片方のエンジンが停止した場合どうするか。

ジェッション(燃料投棄。別の言い方だとFuel dump。)してMAX landing weight以下にしてから降りるのか、緊急なのでそのままオーバーウェイトで降りるのか。

結論から言えば、安全の為に良いと判断できるのであればキャプテンの裁量で決めれます。
そしてその両方が正解。安全であれば、です。

「ところで、オーバーウェイトランディングだとどれ位の降下率まで認められてるんだっけ?」

という話になり、「確か300ft/minだったかなー」とか「それに安全率1.5を掛けた450ft/minじゃないっけ?」
など色んな意見が出ました。
初期訓練で耐空性審査要領について結構やったのになーと言いながらも、分からないことはすぐに調べる辺りが皆さん流石です。

◆◆
探してみると確かにありました。

耐空性審査要領の設計の欄です。
P.222-6
3-6地上荷重
3-6-2-1着陸状態においては飛行機は次の状態で接地するものとする。
c.『設計離陸重量(最大降下率よりも低い降下率での着陸における最大重量)で1.8m/s(6ft/s)の制限降下率』
つまり、最大離陸重量でも6ft/min=360ft/min以下の降下率で接地すれば強度的は保証されます。
ちなみにb.設計着陸重量(=最大着陸重)では 10ft/s=600ft/minまで強度が保証されています。これは通常の降下率に近いのでノーフレアですごい衝撃になりそうです。

T類は360ft/min以下の降下率で接地すれば強度は保証される。
というのは覚えておきましょう。

360ft/minの降下率は思ったより大きい印象です。やろうと思えばすこし接地が伸びますが、地面を撫でるような着陸はパイロットなら誰でもできると思います。
通常時はオートブレーキのセンサーが接地したのか迷うのでしませんが。

実際シングルエンジンになったら私ならレーダーベクターをリクエストしてチェックリストを完了しながら即行空港に引き返すと思います。
SID中ならとりあえずFollow、MHA位までの高度を獲得しといた方が何かと余裕が出ます。とくに混雑している空港なら。
VMCなら混雑状況を見て、トラフィックパターン1周で降りれるならDownwindに入ってもいいと思います。

シングルエンジンででもジェッションを選択する時ってどんな時なのか?と考えました。

1.大前提として性能上その重量では滑走路をオーバーランしてしまう。
2.又は脚に不安があるとき
2.1.パンクしている。
2.2ブレーキ火災等でタイヤが損傷している。
2.3そもそもタイヤが出ないから胴体着陸。
3.離陸後滑走路が閉鎖された。例えば自機よりも重篤なエマージェンシー機体があり着陸後の滑走路閉鎖が考えられ、ダイバートを余儀なくされた場合近くの滑走路が全て短すぎる時。

MECEからは外れてます。こういうのは考えても全部を網羅するのは不可能です。
だからこそ想像力って大事です。フライトは不確定要素が多すぎるのでツリー状に場合分けするのは「机上の空論」です。
実際に使えなければなりません。

月に一回とんでもないエマージェンシーが発生したら自分ならどうするかをイメージフライトしろと教官は言います。
これをやりだすとシステムのテキストを開いたりし始めることになるので永遠に終わらず夜が明ける、なんてことはザラだそう。

◆◆
もうすぐハドソン川の奇跡が公開されますが、たぶんサレンバーガー機長は両エンジンが止まった時のシミュレーションフライトをしたことがあったんじゃないかなと思います。
自分の機体の揚抗比は分かっていても、その場の降下率とGSからの進出距離は風向きで大きく変わるので現在位置から空港まで届くか即座に判断するのはとても難しいと思うからです。それを機長はすぐに判断していました。
本当にフライトは何が起こるか分からないのでなるべく乱してイメージフライトをすることが大事です。
そして分からないこと、操作の根拠が不明なものは徹底的に調べること、クロスチェックの仕方も決めること、それが上手くなる秘訣のようです。

耐空性審査要領には何が書いてあるか

    耐空性の検査

耐空性審査要領の内容に入る前に
航空機の飛行の安全性を担保するのに必要な証明には何があるか見てみます。

①耐空証明・・・法11条『航空機は有効な耐空証明を受けているものでなければ、航空の用に供してはならない。但し、試験飛行等を行うため国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りではない。』

②型式証明・・・法第10条『国土交通大臣は、次に掲げる航空機については、設計又は製造過程について検査の一部を行わないことができる。 一、第十二条第一項の型式証明を受けた航空機…』

 

2つの検査が必要です。

耐空性審査要領はこれら2つの証明を行う際の基準が書かれています。これらは航空機製造メーカーに対する法の要求です。

 

◆◆

   【耐空性とは?】(=Airworthiness)

法第10条

耐空証明に関しては航空法第10条で規定されています。

法第10条『国土交通大臣は申請により、航空機について耐空証明を行う。(滑空機を除く)』

3項『耐空証明は、航空機の用途及び国土交通省令で定める航空機の運用限界を指定して行う。』

4項『…当該航空機が次に掲げる基準に適合するかどうかを設計製造過程及び現状について検査し、これらの基準に適合すると認められるときは、耐空証明をしなければならない。』

 

つまり耐空性審査の流れは

設計

製造

現状

 

の3ステップがあるのですが、一機毎に設計から現状まですべての検査を行っていてはコストがかさんで仕方ありません。

そこで設計、製造過程に関しては型式(B737とかA380とか種類)ごとに重複する項目に関しては型式証明によって検査の一部を省略します。

◆◇⇒型式証明は耐空証明検査を効率よく行うための証明◇◆

細かく言うと強度と構造に係る審査の一部を省略することができます。(※下記参照)

そして型式証明はメーカーに対して行うものなのでエアラインは持っていません。

 

では、具体的な検査内容を見てみます。

法10条4項

一、安全性を確保するための強度構造及び性能についての基準⇒安全性の基準(付属書第一

二、騒音の基準                                                                                     ⇒環境への基準(付属書第二

三、発動機の排出物の基準                                                                 ⇒環境への基準(付属書第三

 

ICAOでは国際基準としてAnnex 8を制定しています。

航空機は国際的な工業製品なので国際基準が必要だからです。

Airworthiness(耐空性)という言葉はよく出てくるので覚えておいた方がいいと思います。

上記の付属書というのはICAOのAnnex 8を翻訳したものです。

航空法施行規則付属書第一『航空機及び装備品の安全性を確保するための強度、構造及び性能についての基準』というタイトルで耐空性審査要領の前文として収録されています。

 

ICAO Annexの参照方法はコチラを読むといいと思います。

 

日本の耐空性審査要領はICAOのAirworthiness Manual(Annex8の細則)に則った米国FAR(アメリカの航空法) Part25(T類)「Airworthiness standards」に準拠しています。

Annex8⇒FAR Part25⇒耐空性審査要領

 

耐空性審査要領は広辞苑のような分厚さでどこから読んでいいか困るのですが、一般的な訓練生が読むべきは

小型機による初期訓練では

II 飛行機(普通 N、実用 U、曲技 A、輸送 C FAR Part 23に準拠

エアラインのジェット機訓練では

III 飛行機(輸送 T FAR Part 25に準拠

を開いてください。

◆◆

    耐空性審査要領の内容

よく口述審査で「耐空性審査要領には何が書いてある?」など聞かれます。

その答えは強度、構造、性能です。私も初期訓練では『強構性』などと覚えていました。

それぞれどの段階で審査するかというと

1.強度・・・設計段階(型式証明で一部省略可)

2.構造・・・製造段階(型式証明で一部省略可)

3.性能・・・飛行試験段階

で審査します。

蛇足ですが型式証明と試験飛行のサーキュラーのURLを掲載しておきます。

型式証明             http://wwwkt.mlit.go.jp/notice/pdf/201107/00005484.pdf

試験飛行             http://wwwkt.mlit.go.jp/notice/pdf/201401/00005486.pdf

 

耐空証明の有効期間は1年です。(法第14条)

ただし、航空運送事業の用に供する航空機については国土交通大臣が定める期間となります。

エアラインは基本的にCABから認められた整備規程に則り整備しいていますので毎回試験飛行を行っているようなものとして実質上記整備が行われている限り無期限、言い方を変えると毎フライトで耐空証明の有効期間を延長するような扱いになっています。

 

※また、耐空性審査要領に関して重要なのは時期によって内容が異なることです。これは離着陸性能の基準で関わってきます。今回は省きます。

◆◆

    運用限界等指定書

法第10条3項『耐空証明は、航空機の用途及び国土交通省で定める航空機の運用限界を指定して行う。』

とあるように耐空証明書とセットで必要なのが運用限界等指定書です。

 

内容は

————————-運用限界等指定書————————-

航空機の型式                                     エアバス式350型

航空機の国籍記号及び登録番号     JA1234

航空機の製造番号                            12345

耐空証明書番号                               2016-001

上記の航空機の用途及び運用限界を航空法第10条第3項の規定により下記により指定する。

用途:耐空類別  飛行機 輸送T

運用限界:飛行規程及び追加飛行規程の限界事項

 

平成28年1月1日

国土交通大臣

—————————————————————————

 

という風になっています。

用途がT類の用途に限定され、

運用限界は飛行規程及び追加飛行規程の限界事項となっています。

 

まず、耐空類別ですが

国交省のページに付属書第一の内容が載っています

http://www.mlit.go.jp/common/001048282.pdf

 

・飛行機 実用 U類         ⇒最大離陸重量 5,700kg 以下の飛行機であつて、飛行機普通 N が適する飛行及び 60°バンクを超える旋回、錐 揉きりもみ、レージーエイト、シャンデル等の曲技飛行(急激な運動及び背面飛行を除く。)に適するもの

 

・飛行機 輸送 T類         ⇒航空運送事業の用に適する飛行機

 

口述で聞かれたらこういう風に答えればいいと思います。

 

次に運用限界です。

飛行規程及び追加飛行規程の限界事項はそれぞれに1章に載っています。飛行規程は一般的にAFM(Airplane Flight Manual)と呼ばれます。AFMという言葉はよく出てくるので「メーカー(BoeingとかAirbus)が作成した限界事項だな」と思っておきましょう。

追加飛行規程とは改修、改造をした場合に新規に作成される規定です。

これらについてはメーカーではなく法がユーザーに求める要求なので次回書きたいと思います。

◆◆

航空機メーカーに法が求める耐空性をまとめると以下のようになります。

今回は青い部分について書きました。

 

耐空性審査要領

最低気象条件まとめ


計器審査の口述審査がありました。
口述審査の合格をいただいたものの手ごたえは非常に微妙な感じでした。このエントリは実機審査前に書いています。

枝葉が気になる私の悪いクセで精密セグメントのOASなど実運航で大事なところ以外の知識も習得したくなり、試験勉強の時間配分を間違えたと思います。(OASによるOCAの決定方法を知っておくのは大事ですがパイロットとしての幹は飛行方式設定基準だけではないです。翼の友AP-37あたりを参照。)

やはりIFRで最も基本で実運航で大事なのは最低気象条件です。

◆◆
まとめてみたので参考になればと思います。精密、非精密、サークリングなど進入方式ごとに分けてテキパキ答えられるようにしておくといいと思います。
翼の友WMページは完璧にしとくといいです。微妙なシチュエーションにも対応できると思います。
特にWM-35の表に関してはとてもよくまとまっているので非常に参考になります。

◆◆
最低気象条件
そもそも新基準(飛行方式設定基準)と暫定基準は混在しているのか。
1. T/O minima・・・新暫あり。(唯一混在。)
2. T/O ALTN minima・・・新暫関係なし。
3. ALTN minima・・・新暫関係なし。
4. LDG minima ・・・新暫関係なし。

————————————————————————————————————————-
1.T/O minimaに関して
[暫定]
TKOF ALTN AP FILED・・・CEIL&VIS
OTHER・・・AVBL LDG MINIMA
ポイント:暫定基準のAVBL LDG MINIMAでは進入の方式に関わらず着陸の最低気象条件の決心高に相当するCEIL、着陸の最低気象条件に相当するVIS。(RVRではない

[新]
Multi-Engine ACFT with TKOF ALTN AP FILED・・・RVR/VIS
OTHER・・・AVBL LDG MINIMA
ポイント:新基準のAVBL LDG MINIMAでは
①CAT I 以上の進入方式はCAT IのRVR/VISのみ
②非精密は非精密の最低気象条件に等しいCEILとRVR/VIS
③周回進入は周回進入の最低気象条件に等しいCEILとVIS

————————————————————————————————————————-
2.T/O ALTN minima
[新暫関係なし]
要件:2つ
(1)距離的要件
1発不作動時
・双発1時間以内
・3発以上の航空機にあっては2時間以内
に到着できる空港

(2)気象条件
①CAT I 以上の進入方式はその進入方式の最低気象条件に等しいVISのみ
②非精密は非精密の最低気象条件に等しいCEILとVIS
③周回進入は周回進入の最低気象条件に等しいCEILとVIS
————————————————————————————————————————-
3.ALTN minima
[新暫関係なし]
要件:気象条件のみ
①CAT II 以上の進入方式はCAT Iの最低気象条件に等しいVISのみ
②CAT Iは非精密の最低気象条件に等しいCEIL&VIS
③非精密は非精密の最低気象条件のCEIL+200ftとVIS+1000m
④周回進入は周回進入の最低気象条件に等しいCEILとVIS ←T/O ALTN minimaと同じ

————————————————————————————————————————-
4.LDG minima
[新暫関係なし]
要件:気象条件のみ、かつ、視程条件のみ
①RVR
②CMV:CAT I, 非精密の直線進入でRVRが使用できない時のみ使用。
③VIS:周回進入

着陸の気象条件を判断するタイミング
3か所
①IAF(計器進入開始前)
②FAF、OM、AGL1000ft、特に認められた地点のどれか。FAFがあればFAF、OMがあればOM、いずれもなければAGL1000ft。
③DA
ポイント:FAF通過後に最低気象条件に等しいRVR/VISを下回っても進入限界までは進入できる。そこでAPCHライトなどが視認できればもちろん着陸を試みていい。
ただ、最低気象条件の判断場所としてFAFがあればFAFで判断しないといけないので、どんなに長いFinalコース(例えば山形のILSなど)であってもFAFでダメならダメ。だからそういったところではAGL1000ftで判断する旨をブリーフィングしておくといいと思います。「FAFで判断すること」などのCompany minimaがなければ。
(ENR1.5-17)

離陸後400ftに上昇するまでは旋回しないのはなぜ?

タイトルは訓練生の先輩から昨日聞かれた質問です。
訓練が始まってから約1年半、400ftに上昇するまではトリム以外触ったらダメだ、とずっと教えられてきましたが今まで「なぜ?」と考える間もなく訓練に邁進してきました。

教官に言われるがまま素直にやってきたと言えば聞こえはいいですがマニュアルの行間を読む作業を怠っていたとも言えると思います。

こういうのは外国のサイトが早いので
The Professional Pilots Rumour Network
http://www.pprune.org/
というサイトで調べてみました。Yahoo知恵袋のパイロット版といいますか、さすが航空先進国だなと思います。パイロットの数が多いですから意見交換が活発です。(peachの機長が足りないという話もfar east板に載っていたりとup to dateなサイトです。)
日本でもCFIJapanさんの掲示板が訓練生向けにあります。 http://www.cfijapan.com/BBS/index.htm
私もよく見ているので是非参考にされてください。

◆◆
色々な単語で検索していたら以下の記事がありました。ライン機の話ですね。ただ私たちが目指しているのはライン機の運航ですし、400ftから旋回・加速に移るのは共通しているので手がかりがありそうだなと思い読み進めました。

「Why the acceleration height is minimum 400 ft, not lower?」
http://www.pprune.org/archive/index.php/t-375138.html

KWさんの返信で
”AIM Chapter 5 Section 2
Obstacle clearance is based upon an aircraft climbing at least 200 ft/nm crossing the end of the runway by at least 35ft agl, then climbing to 400ft above the airport elevation before turning unless otherwise specified in the departure procedure. FAA Part 25

At V2 with 1 engine out, you are guaranteed 2.4% gross, 1.6% net climb gradient. 400ft is the start of the third segment of the climb profile certification.
Cheers”
とあります。

日本のAIMしか今手元にないのでどうもアメリカの方では書いてありそうな感じですね。
third segment”という単語が他の返信でも多くあったのでこれかなと思い調べました。

◆◆
third segment
上昇率が正を指示した後,着陸装置を引き上げ,速度V2を保って(注:全エンジン作動の状態であれば速度はV2+10~15ktに達している)上昇を続け,ジェット機では離陸面上400ft(120m)の高度に達するが,機が浮揚してから着陸装置を引き上げるまでの間を第1段階(ファースト・セグメント)といい,その後上記の400ftの高度に達するまでの間を第2段階(セカンド・セグメント)という。
 高度400ftに達してから短時間の水平飛行に移り,所定の速度に加速した後フラップを引き上げ始め,さらに上昇する。フラップを完全に引き上げ,規定の高度1,500ft(450m)に達して所定の上昇性能が得られると離陸の最終段階(ファイナル・セグメント)が終了し,機は定常上昇に移る。
(航空用語辞典)

恐らくライン機でのsecond segmentの終わりの設定基準がわかればそれが根拠だと推測される、というところまでわかりました。

◆◆
もう一度読んでいくと
The 400 foot idea seems to have been introduced in SR 422, which was the 1957 change to certification in anticipation of turbine powered transports. I don’t see it referred to in CAR 4b as it was in 1953.

As far as I remember, 400ft AGL is because 300 feet of obstacle clearance (The same that circling approaches). Because you can’t think no obstacle exist (a house for example) 300ft + Obstacle (not high because of runway heading) rounded 100ft above will give you 400 ft. That is the minimum height to perform action safely in the very close vicinity of your airport.
If you need to accelerate because of engine failure, your accelerate height can be circling approaches minimum if VMC or HSD if IMC.
また、
I guess 400′ comes from those being the minimum OCH in the aerodrome area within a radius of X miles.
Don’t have a copy of ICAO Doc.8168 right at hand, could anyone check that out?
という返信もありました。

FAAの飛行方式設定基準みたいなのがあればいいんですが結局今のところ分かったのは以下のことです。

 

◇わかったこと◇
・いま訓練で400ftから旋回するのはライン機の運航でsecond segmentまではまず上昇を続けることに由来すると考えられる。
・なぜ400ftなのか

いくつか考えられますが、

1.ICAOで定めるOCHのエリアが300ftのようだからバッファをとって400ft
2.サークリングのエリアが300ftだから(?)←日本だとCAT Dの飛行機は550ftなので違うかもしれません。。
3.そういう慣例だから。(エアバスのオペレーションマニュアルにもそう書いてあるから!という方もいらっしゃいました。)

というところまでわかりました。しかし、なぜセカンドセグメントのミニマムが400ftになっているかという根拠は手持ちの資料では見つからなかったので今後探して追記できたらと思います。

長文でしたが最後までお読みいただきありがとうございました。

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