給料の理由を説明できるか

以前当ブログのツイッターで

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「自分の給料の理由を小学生にも説明できるか?」という上司の問い。

すごい深いお話でした。

平均より少し良い給料ならその差は何故か。取得に時間のかかる資格の必要な仕事(希少性が高い)だから、という私の答えは的を外しているようでした。

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とツイートしたところ反響があったのでその話について書きたいと思います。

私の考えでは、医者や弁護士の様に取得に時間が非常にかかる仕事である、かつ、第1種身体検査に受かる肉体が必要という難関の資格が必要だから、だと思っていました。

いまもその考えはあります。

なぜなら受給のバランスが極端に偏る仕事に価値が出るのは経済の仕組み、そのものだからです。

また、昔から言われるように「仕事とは皆んなが出来ない事」か「皆んながやりたがらない事」だから価値が生まれる。

というのが真実だと思います。

飛行機で飛ぶということは絶対にしたくないという人が(空好きの人からしたら信じられませんが)一定数いること、また第1種身体検査は生まれつきの視野の範囲や起立性低血圧などで、なりたくてもなれない人がいるのも事実だからです。

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しかし、キャプテンには「間違ってないけど小学生に需要と供給とか言うの?笑」

と笑われてしまいました。

じゃあ他の仕事と絶対に異なるのは何か。

それは飛行機が「動安定」ということでした。

飛行機は動き続ける事で揚力を得て安定して飛ぶ事が出来ます。垂直方向の揚力と重量、前後方向の推力と抵抗の釣り合いの図を思い浮かべてもらうとわなります。

これが動安定の状態です。

つまりエネルギーが無くなると飛行機は物理的に静安定に向かっていくしかない=地面に墜落か着地するしかない。

「エネルギー」とは運動エネルギーと位置エネルギーの総和です。

地上から運動エネルギーをエンジンで与えて位置エネルギーに変換していく。だから飛行機の持つエネルギーの総量は燃料そのもの。

回転するコマの様にエネルギーが無くなったら静安定になるしかないのは、金属の塊なら避けられない。

「残燃料から計算した飛行時間=命の残り時間」それまでに数百人の人生を乗せて無事地上に降りなくてはならない責任を負っている。

それもたった2人で。

もちろんPICが最終責任者なのは法的に間違いありませんがPICがインキャパシティになった場合はもう副操縦士が何とかするしかありません。

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飛行機は多くの人を乗せ、一度飛んだら何か起きても「ちょっと一旦止まって確認します」ということが出来ない、絶対止まれない乗り物です。

何かあっても上空で社長が助けに来てくれるわけじゃない。

パイロットが絶対に何とかしないといけない。

そして毎回多くの命がかかってるから絶対に失敗出来ない。だからお給料が高いんだよ。

という風に説明してるそうです。

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今度小学生相手にお話しする機会があるので聞かれたら教えて頂いたことを参考に応えようと思います。

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空の旅を科学する

空の旅を科学する
人工知能がひらく!? 21世紀の「航空管制」

今年読んだ航空関係の本の中で最も良かった本です。やや専門的であるからこその面白さがあり、航空関係の方々、特にパイロットや管制官の方であればスッと入ってくる内容でした。 
NASAエイムズ研究所で始まった航空管制科学。それに従事する日本で数少ないENRIの科学者の1人、伊藤恵理さんの著書。

航空管制の歴史を紐解く本でありながら、著者の伊藤さんの自叙伝でもあり、これまでの研究者としてのキャリアを臨場感ある描写で追体験できます。

科学者としての根性とプライドを感じる行動力に読みながら「カッコイイ!」と感化されました。

伊藤さんの世界中を飛び回った10年間を読んで私自身もモチベーションを頂き、さらに運航の品質の高いパイロットにならないとと気持ちを新たにいたしました。
航空業界の方、あるいは目指されてる方、少しでも航空業界に興味がある方は絶対に読むべき1冊です。

私は航空業界の未来を考えるには航空管制の青写真を見るのが有効だと考えています。
パイロットの視点では、「1人運航が始まったらパイロットという職業はどうなるのだろう」というミクロな視点で航空業界の未来を考えてしまいがちです。
しかしこの本を読んで視野が大きく広がりました。
伊藤さんもおっしゃる通りパイロット不在の旅客機に乗りたいという人は少ないと思います。私もこれには同感です。
だからといって無人やワンマン運航に反対と言うのではなく、安全、効率的な空の旅を提供するのにベストな方法をパイロットも模索・協力すべきだなと思えました。

先日発表があった管制をメッセージによるやりとりに置き換えるDATA COMM
これに加えて世界の一部地域では既に搭載義務のあるADS-Bの普及後の航空管制を見ればその先の2030年頃の航空機の仕様も見えてくるのではないでしょうか。
それが1人乗りなのか、2人乗りなのかは実験的な導入の結果次第なのかも知れませんが、どういう時流になろうともそれに乗って『自動車が発明された頃の馬車屋』の様な新技術を批判するパイロットではなくASASやFIMを使いこなせる柔軟なパイロットになっていたいなと思いました。

そしてアメリカの空では始まっているBest Equiped Best Serve(コストをかけて新しい器材を導入しているエアラインには短縮経路へのベクターなどの優遇制度)や、既にあるRNAVの導入であるPBNの様なPBOに基づいたTMA-TMの事を鑑みると、日本のエアラインもそれらに即時対応できるエアラインであるべきだとも思えたのも本書を読んだからです。

専門用語は多いですが丁寧に説明してあるので本書を読めば全てクリアになると思います。

日本の空はアメリカの空の追従になっているのは卑近な例で言えばWIFIの導入やEFBの導入を見ても明らかです。
伊藤さんも日本の航空管制科学の遅れは指摘しています。
しかし最近では2015年からJALの施設を使った管制のシミュレーションも出来るようになって来ており、これからのアジアの新たな管制を日本から創りあげられたらいいなと思いました。
先ほど述べたように私は航空管制の制度に合わせて航空機は進化して行くだろうなと感じています。
B777には無くてB787にはあるFMCへのFPA(Flight Path Angle)の入力も等角度の降下をベースとした管制への布石とも取れます。
爆発的に増えるアジアの管制に対応するためは超効率的な管制が必要です。

それが世界のスタンダードになれば、その超効率的な管制に対応した航空機が作られることとなります。
必要は発明の母なので、間違いなくイノベーションはアジアから起こるでしょう。

これから最も混雑するであろうアジアの管制から目が離せません。そこに航空業界の未来があると思います。

航空関係の本は相当読んでいる方だ思いますがこんなにメモを取りながら読んだ本は他にありません。

是非皆様読まれて見てください。

航空業界の未来にワクワクしますし、伊藤さんのファンになると思います。

本の中で良かった言葉を幾つかご紹介します。

電子書籍なので本文の%表示で。
□心に決めた3ヶ条(14.2%)

①独創的であれ

甘柿コースの駄目サイクル(=身内で褒め合うダサイクル)に入らないこと。

②説得力を持て

 1.科学的思考法→常識を疑う

 2.プレゼン能力

 3.英語(公用語として)

③人間を理解せよ

人間とコンピュータが仲良く共存する鍵は人間にあり。

□アイトラッキングしても全ての視覚情報を得られるとは限らない。(27.5%)

私がいつか教官になったらクロスチェック(適正な時期に適正な計器を見ること)を指導するのにアイトラッキングをしたいと思っていたので膝を打つ言葉でした。意外と間接視野で地平線を見てたりするもんですから。私の考えは机上の空論かもしれないなと思わせてくれました。
□目の前の出来事に意味づけするのは受け手になる人間の想像力(32.9%)

本当にその通り。ラッキーな人がいるのではなく自分ってラッキーだな、と思える人がいるだけ。ポジティブに生きたいものです。

□世界で1番深い谷を探すには旅の出発点は世界中にランダムにばらまいた方がいい。(遺伝子的アルゴリズム)日本にも航空の種を蒔くべきだ。byウィル(62.5%)

独占ではなく新技術は世界に発信。身近な事柄で言えば新しい知識や経験は他のパイロットともどんどん共有していきたいなと思いました。

13.ピア・エフェクト

受験記を更新しました。

13.ピア・エフェクト

2年分の受験記を書いてみて振り返ると色々悩んだり考えていたなと思いました。
今回の13話で終了です。

長々となりましたが、お読みいただいた方々ありがとうございます。

情報の探し方

Twitterで数件「どのように情報収集をしていますか。」というメッセージをいただきます。

主に使ってるのは

・Googleアラート

・feedly

・Byline

ですが、ネット上の情報は瑣末な内容が多いのでやはり書籍の信頼性は高いです。
そこで、ネットでも唯一信頼に足る情報の検索の仕方ですが

『◯◯_go.jp』

と検索します。

◯◯(←検索したいもの)+スペース+go.jp
これにより政府が発行している資料が出てきます。

例えば、『パイロット go.jp』で探すと。

http://www.mlit.go.jp/common/001019364.pdf

平成25年の日本におけるパイロット事情の正確な情報が見れます。

もし「今後のパイロットはどうなるのだろう」と思ってもネットには載ってません。未来の事など誰にもわかりませんから。

そこで、こういう事は自分のアタマで考えるのが1番大事な作業になってくるのですが、その思考材料が正しくないと間違った答えが出てきますよね。

そういう時は是非政府の非営利の情報、特に統計などを利用してみてはいかがでしょうか。

◆◆

もちろん、この記事の内容が正しいのかどうかも自分でやってみなければ分かりません。
試しに◯◯_go.jpでググってみてください。

10.ポールポジション/11.再会

筆記試験への挑戦と結果の受験記

10〜13話(予定)まで一括でマガジンでもご覧いただけます。

ひとまとめでも、1話ずつ興味あるモノだけでも、読んでいただければ幸いです。

13話迄で完結の予定です。反響があれば続きを書きたいと思います。

7.夢に期限を

NKJ56_taketomishimanoumitosora_TP_V

グアムでの決意から進路の取捨選択まで。

久々に時間が出来たので7.と8.を連続で書きたいと思います。

こちらから⇒夢に期限を

耐空性審査要領 T類 目次

 

耐空性審査要領目次

耐空性審査要領目次付録

 

個人的に耐空性審査要領のコピーでない目次が欲しかったので作ってみました。
口述審査の参考に。

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