先行機と後続機の時間間隔と距離の関係

実機でのフライトをしているとシミュレータとは圧倒的に異なることがあります。

それは他機がいること。

他機のおかげでHDG指示からのベクターは来るわ、減速指示も来るわ、イメージフライトでは予想できないことが数多く起こります。

全ては飛行機同士の管制間隔に起因するのですが実際、管制官はどれ位の間隔を取っているのでしょうか。

管制官の見ているレーダー間隔に関して、AIMjを参考に考えると455,512辺りが参考になります。

その辺りに関して、空の大先輩である翼友の著者でもある小嶋さんに質問してみました。

◆◆
私の質問は以下の通り。

・国内ACCの中における飛行機の縦の(前後の)セパレーションは何マイルになってるのでしょうか。
ACC→ACCハンドオフ時は縦間隔15マイルとなっているのですがRNAV5運航はレーダー覆域内のためレーダーサイトから40NM未満/以遠での間隔、3NM/5NMが適用されることになると考えていました。
翼友も同じように書いてあり、納得していました。

ただ、実際の運航でエンルートにおいて縦間隔5NMということは無いような気がします。
同期に聞いても「5NMは流石に近すぎるでしょ」ということだったのですが確信には至りませんでした。

そこで私の考えではRNAVのエンルートに関しては「レーダー監視」のもとRNAV5の経路を自己監視でPBN運航しているのであって「レーダー管制」されてる訳ではない。したがって通常の10分20NMか、少なくてもACC間ハンドオフ時の15NMのセパレーションを取っている気がするのですがいかがでしょうか。
HDGをふられたりして、ベクターが始まってからが『レーダー管制』になり、3NM/5NMが適用になると考えます。
参考:AIMj 455,512

もし何かご存知でしたら教えて頂ければ幸いです。

◆◆
すると小嶋さんからは何とも丁寧なご返信をいただき、大変参考になったのでシェアさせて頂きたいと思います。
◆◆

日々、飛ばれている事から釈迦に説法かもしれませんが。。。

 エンルート飛行中のレーダー管制間隔についてご質問頂いたと思います。
 レーダー管制間隔は、管制方式基準Ⅳ-6-2の通り、レーダーサイトからの距離によって、
3nmまたは5nmが最小間隔となっています。
 また、離着陸においては、後方乱気流管制間隔が適用されています。
 一方、エンルートも、確かにレーダーサービスを受けながらの飛行ではありますが、最小10nm、通常15~20nmの距離をもって飛行してい ると思います。

 この理由は、管制官は管制間隔として概ね2min(Heavy Medium間の時間間隔)を標準として間隔を確保しています。
 例えば、FL300をM.74でGS420ktで飛行しているとしましょう。
 この場合、飛行機は1minで420÷6=7nm つまり2minで14nm必要となりますから、これ以上、先行する機体との距離が詰まるようであれば、後ろ側の航空機に減速の指示が来るかもしれません。

 またAPCHエリア飛行中として、12000ftを240KIAS(GS300kt)で飛行しているとしましょう。
 この場合、2minで進む距離は10nmですから、これ以上詰まる事があると、自分で考えて減速しなければ、先行機と詰まってしまう事になります。

 逆に言うと、「先行機との距離×30」が2min間隔の場合の適切なGSという事になります。
 私は、先行機との距離に応じて、この計算式を応用しながら間隔を詰めるべきか、それとも減速しておくべきか考えて運航しています。
 管制官から言われる前に、自分で間隔調整しておくと、余計な速度調整を受けなくて済みます。

 参考に2015のATSシンポジウムの資料をお送りします。
 これの33ページに間隔の絵がかいてあり、私も、この程度と把握しています。

 また、お会いできるのを楽しみにしています(^^)
 お互い、フライトを楽しみましょう!

◆◆

ということでした。感覚的にENRにおいて15NMくらいは空いてるよなー、と思っていたことの理由が明確に分かりました。

以来、ナビゲーションディスプレイに映っているTCASの表示から先行機との距離×30のGSを守るようにすると速度の指示が少なくなりました。また、指示が来るタイミングも大体予期出来るようになったのでとてもありがたかったです。是非使ってみて下さい。

また、2015年に行われた、一般財団法人 航空交通管制協会の【第37回ATSシンポジウム】の資料も大変参考になるのでご一読してみて下さい。

 

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About KC
Pilot訓練生5年目。事業用操縦士・多発限定・計器飛行証明取得。

One Response to 先行機と後続機の時間間隔と距離の関係

  1. orange says:

    KCさん、お久しぶりです。

    実運航をしてからでないと分からないことや、新たに生まれてくる疑問などはたくさんありますよね。

    今回の「先行機と後続機の時間間隔」の解説もとても分かりやすく、図が入っているので頭の中にすっと入っていきました。ぜひともシェアしたい内容です。

    話は変わって、那覇空港では新しい滑走路の建設が進んでいますね。ターミナルの新設という話も出ているようですよ。https://ryukyushimpo.jp/news/entry-535188.html

    那覇空港のライブカメラのサイトがありました。よろしければ見てみて下さい。
    http://www.qab.co.jp/pindex/livenahacity.php

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