IMC、NO RADAR空港で離陸直後エンジンが片方止まったらどうする?


タイトルは同期の訓練生が言ってきた言葉です。
このIMCはもちろんS-VFR以下のIMCです。また空港には5%上昇勾配以上の制限があるとします。
IFRなのでSIDで離陸していく前提です。

普段、離陸前のブリーフィングで上昇中のエンジンアウトはIMCならばレーダーベクターで誘導してもらって着陸(Full stopします)というインテンションを出したりしていますがあくまでレーダー空港の話。
空港管制用のレーダーがなければMVA以下では”Declare emergency, one engine failure.”と言っても誘導は無く、他機にその空港から離れるように伝えてくれるくらいかと思われます。

SID中、厄介なのが5%の上昇勾配です。
訓練機のような小さな飛行機ですと片発アウトになると4%程の上昇勾配しか出せないことがあります。
障害物の回避を保障している上昇パーセンテージから外れるのでSIDに沿って飛んで行って計器進入します。/上昇して他空港に向かいます。
というのが言えなくなります。

◆◆
手持ちの知識からは2.5%以上の障害物件があっても実質3.3%以上には出ないようにSIDは設計されているので、片発で3.4%以上の上昇勾配があるならばその経路に沿って行っても大丈夫ということしか分かりませんでした。

ただ、実際の運航で3.4%以上ですので経路に従います、みたいなブリーフィングは想像しにくかったので他には理由はないか、と
教官にも聞きまわったところ良さげな方法が一つありました。

◆◆
Reference procedureeに従う。
航空会社にはリファレンス・プロセジャーというものがあるそうです。公開はされてないのですが国土交通省にスカイの平成17年のJA767Bの報告書があったので参考になります。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-inci/AI2009-1-1-JA767B.pdf
の69ページ参照。
sky reference pricedure

つまり障害物を避けてとりあえず海に出ろというこということです。
チャートには著名な物件の高度が書いてあるのでまずそれ以上の高度に上昇して海まで出ていってから対処すれば
CFITは避けられるという実例でした。

AIPにはもちろんReference procedureは載って無いのですがこういうのはCABが作って公示されるといいですね。

◆◆
余談

先日某エアラインのキャプテンとお話する機会がありました。
国際線の長いエンルートで何をしてるんですか、と伺うと
ずっとチャートのMSAを見て「何かあったら〇〇ft以上」と唱えてる。
とおっしゃっていました。

飛行機はまず障害物に当たらないことが最も重要です。たとえ電子機器が壊れても最低限の
高度を守っていれば対処できるからだそうです。
どんなにベテランのキャプテンでもそうやって地道な努力を積み重ねてらっしゃることに安心感とやる気をいただきました。

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About KC
Pilot訓練生5年目。事業用操縦士・多発限定・計器飛行証明取得。

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  1. ピンバック: LDG chart | Flyingfast

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