1度のPitch upで何ft/minの上昇率が出る?

タンジェント

タイトルの質問は必ず訓練生なら聞かれます。
単純にタンジェントで計算するだけなのですが、前回の6度1割の法則を応用すれば単純に考えられる技がありますので書きたいと思います。

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パイロットの世界ではRule of Thumbというのがあります。
何かといいますと「経験に基づく、実際に即した近似的方法」のことです(AIMjの11-39参照。)

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飛行機の操縦は3次元的なのはご存知の通り。
上昇、下降も単純に「少し上昇」ではなく「○○ft/minで上昇」という風に定量的にコントロールすることが求められます。
だからこそ、タイトルのようにpitch角をコントロールして上昇率をコントロールする必要があります。
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はじめに60ktで飛行している時のことを考えます。
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60kt=60NM/hour
時速から分速に直し、
60NM/hour÷60min = 1NM/minです
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1NM=6076ft/minなので近似的に1NM=6000ft/minとします。
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ここで、下の図をみて下さい。
1pitch
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6000ft/minで進んでいる時に6度pitchを上げると1割なので600ft/min出ます。
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では、1度pitchを上げると?
6分の1なので100ft/min出ます。
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ここからがポイント
60ktを基準にすればどんな速度でも1度pitch upあたりの上昇率(ft/min)がわかります。
例えば120ktなら、単純に2倍すればいいだけですよね。1度pitch upで200ft/minです。

つまり、
◇60ktの何倍の速度で自分が飛んでいるかを考えて、その倍数に100を掛ければft/minの上昇率となります。◇
で、その係数表をつくってみたのが下図です。このブログを読んでくださっている方の参考になればと思います。

係数表

 

※追記2016年3月15日

この表の4.5度以上の角度での数値が異なるというご指摘を3件メールで頂きました。ご指摘いただいた方々、ありがとうございます。確かに、関数をコピーしていく時に誤っているようです。すいません。あくまで参考ということで以降の計算は試しに計算してみて下さい。

使い方は、乗っている機体で行うマニューバー(slow flightなど)に使う速度のところにマーカーで線を引いて下さい。所望の上昇率に対応したpitchがわかります。
例えば、100ktで500ft/minの上昇率を出したければ左の100のところから右に目を動かして5.1の係数があるので上を見ると3°と書いてあるので2.9°位上げればいいんだな、ということがわかります。
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◆◆
パイロットは上空でかなり暗算をしてフライトをしています。風など、不確定の条件と仕事をするので地上で
いくら準備していても上空では次々と柔軟に計画を修正していく必要があるからです。
Rule of Thumbを覚えて実際のフライトでどんどん使いましょう。知識は実際にアウトプットして初めて価値を生みます。

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About KC
Pilot訓練生5年目。事業用操縦士・多発限定・計器飛行証明取得。

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