MACH number

マックナンバーという言葉はご存知でしょうか。

日本語で言うならマッハ。
つまり音速のことです。

前回の対気速度ですが、TASとIASだけでいいと言っておきながら実際エアラインではマックナンバーという速度が必用です。

飛行速度はマックナンバーで書かれます。
◆参考文献◆

図解 よくわかる航空管制

マックナンバーとは
音速を1としたときの比です。音速の半分なら0.5。
例えば
B747SP 0.92(ジャンボの2階部分のあの形のおかげ。「エリアルール」で検索)
B777            0.87
B787ドリームライナー 0.85
A340、A330  0.83
B767  0.80
という風にマックナンバーで性能は書かれています。

なぜか。

理由は3つ
tas speed

1.図にあるように、上昇していくとIASが同じでもTASが増えていきます。
これは予想ですがTASだと高すぎる値になりそうですね。機体の構造がもたないです。

2.ピトー管が使えない。
ピトー管が検出しているのは全圧ですが、これが音速に近いと淀み点(気流に対して正対する速度0のところ)が高温になってきて
正確に圧力を測れなくなるからです。
その代りマックナンバーでは
式
の式をつかって淀み点(機体の先端などのマック計)の温度と外気温の差をつかってマックナンバーで出した方が正確に速度が制御できるからです。淀み点温度と大気温度の平方根に比例しているなんて都合がいいですからね。

3.成層圏近くでは気温減率が異なる
マックナンバーは洋上飛行で用いられるのですが、洋上を高高度で飛行する航空機はほぼ成層圏に近いのでそれまでの対流圏の減率が適応できない場合があり、圧縮による熱の影響が出るピトー管は正確に速度を表していないことになすからです。

_________________________________
初期訓練では全く必要ないことですがすこし背伸びしてラインのオペレーションを
学んでみるのも面白いですよ。

対気速度(TAS、CAS、EAS、IAS、GS)って?

航空機の速度(正確には対気速度)には様々な表示方法があります。
よく知られているのはTAS、 CAS、 EAS、 IAS、 GS
といったものです。

_
訓練初期の訓練生にはわけがわからないと思います。
私もはじめの頃、よくわからず何とか学科試験に間に合わせの知識で対応していました。

結論から言うと

IASとTASだけでいいです!

定義を見てみましょう。耐空性審査要領より、
2-3-1
このお要領において「指示対気速度(IAS)」とは、海面上における標準大気断熱圧縮の速度を表すように、目盛りが付けてあり、かつ、対気速度計系統の誤差を修正していないピトー静圧式対気速度計の示す航空機の速度を言う。
2-3-2
このお要領において「校正対気速度(CAS)」とは、航空機の指示対気速度を、位置誤差と器差に対して修正したものをいう。海面上標準大気においてはCASは真対気速度(TAS)に等しい。
2-3-3
このお要領において「等価対気速度(EAS)」とは航空機の校正対気速度を特定の高度における断熱圧縮流に対して修正したものをいう。海面上標準大気においては、EASはCASに等しい。
2-3-4
このお要領において「真対気速度(TAS)」とは、かく乱されない大気に相対的な航空機の速度をいう。従って、TAS=EAS(𝜌0𝜌)1/2となる。ここにρは、その時の大気状態における空気密度をいい、𝜌0は海面上標準大気の空気密度をいう。

_

定義だけあって過不足なく書いてあるんですが初見だと意味がわかりませんね。
では、一つ一つ見ていきます。

◆参考文献はこちら◆
かなりまとまってて訓練生ならば絶対買って損はない内容となってます。
ただ良本なためか最近は売り切れているみたいです。

図解 よくわかる航空管制

_

TAS
True Air Speed
まず、大前提として、上の速度の中で存在しているのはTASのみです。”True” Air Speed、
つまり”真”対気速度という名前は、“存在している”という意味でもあります。
TASというのは航空機が受けている対気速度そのものです。
TASは本来その速度を、直接計測をすることはできません。圧力と温度が関わってくるからです。その関係は下の図のようになっていて高度が上がれば上がるほど高くなっていきます。
また、TASは運航に際して最も重要な速度です。TASによってナビゲーションと到着予想時間(ETA)を出すからです。

tas speed

図1.TASとSpeedの関係
_

   GS
Ground Speed
対地速度のこと。100kt飛んでいるつもりでも風が前から10kt吹いていれば対地的には90ktでしか進んでいません。飛行機は大気に対して飛びます。川の中の船のようですね。
私たち訓練生のフライトプランには風は入っていません。ですので到着時間はその日の風で変わります。
ちなみに管制官が見ているのは実はGSのみ。だからエアライン機に対して”Report speed”とか聞いているんですね。風も考慮して5NMの管制を行っているなんてすごい!
”Report spot wind”なんて聞いたりもしていますが、結局は経験と技術。尊敬です。

_

EAS

Equivalent Air Speed

EASとは、ある高度をVTASで飛行する時に空力的に同じように作用するような海面上での速度のことです。
具体的に考えた方がわかりやすいでしょう。
海面上6500ftを飛行している時、標準大気(海面上15°)においては、VTAS =163ktで飛行したとしたらVEAS=148ktです。
この意味は、「高度6500ftを163ktで飛ぶ航空機が同じ姿勢で海面上を飛ぶとしたら、どのような速度で飛べば機体が受ける空力的力が等しくなるのか」を表している、と言えます。
ですから、耐空性審査要領の中も航空機の性能に関わる重要な速度(失速速度や運用限界速度など)はEASで表現することになっています。
※計算方法は流体力学の範囲なのでパイロットとしては興味があれば知っていればいいくらいなので割愛します。

_
CAS
Calibrated Air Speed
CASとは一言で言えば速度計の目盛りの速度です。
飛行機の速度はピトー管の先端にかかる全圧と静圧孔にかかる大気圧の差で測っています。
※ピトー管についてはは航空力学の教科書なんかを読んでください。
これを「差圧」と言います。
海面上の工場で出荷時にVTAS=148kt分の差圧をかけ、その時の針が指している位置に速度計の目盛りの線「148kt」を引いていると考えてください。
上空では密度の違いからEASとCASには誤差が出ますが、
速度が遅い(250kt以下)のでEASとほとんど同じ値になります。
※詳しくは流体力学の本を読んでみて下さい。
具体的には上の例だと6500ft、148ktではEASとCASには0.2kt程度の違いとなり実用上無視できます。

_

IAS
Indicated Air Speed
IASとはパイロットが読んでいる速度、のことです。
対気速度を勉強する中で一番初めに私が理解しにくかったことです。
CASで目盛られているのに自分が読む速度はIASである。とは?
と、なりました。じゃあ失速速度もずれて危険なのではと考えたからです。
しかし、それは頭でっかちな考えです。飛行機を運用するには実質IASとTASだけでいいからです。
計器の取り付け位置が理想的ならばいいが、実際違うので表示されている速度は取り付け位置誤差を含む。それを読んでいるからIndicatedなのだ。というか難しく考えるのはパイロットらしくない、シンプルに必要なことだけ覚えろ。と教官は言っていました。
取り付け位置は変わらないので誤差もどんな高度でもほぼ一定です。
例えば、初期訓練で乗っていたA36という機体のIAS=CAS+2ktでした。どの高度を飛んでいても誤差2ktはほぼ変わらないのでIASに変換した失速速度を覚えてればいいだけです。
_
_

◆まとめ
パイロットとして行うこと
航法上必要、かつ存在するのはTASのみ。だからTASを求めたい。

_________________
TAS (求めるもの)
↑高度の変化を考慮
CAS(機械的な計算で決まる)
↑計器の取り付け位置誤差を考慮
IAS(計器上の表示)
_________________
これだけです!

Attitude flight

Attitude flight

飛行機の初期訓練では徹底して「Attitude flightしろ」と散々言われますが、これをできるかできないかは計器飛行ができるかできないかにも関わってきます。というより諸元を追った探りの操縦では安定しなさすぎで快適性、また安全性にも関わってきます。

今回はそんな最重要かつ基本中の基本のAttitude flightについて書きます。

プロパイロットなら皆知っていることですのでこれから訓練される方、計器飛行前の方のおさらいになればと思います。

まずは私が初期訓練で使用していた教科書「Basic FLT」からの引用です。

基本飛行を制する者は操縦を制する

飛行機の操縦とはいったいどのようなものでしょう?恐らく皆さんは、操縦桿を動かし、両手両足を駆使するPilotの姿を思い浮かべるでしょう。また、経験と勘による部分が大きく、操縦をマスターするにはかなりの時間を要すると考えているのではないでしょうか。確かに、経験は大きな要素であり、ある程度の飛行時間を持たないと得がたい感覚があるのも事実ですが、操縦は「勘」ではなく、理論であるということを忘れないで下さい。感覚に頼って根拠のない操縦をしていると、いつか壁にぶつかることでしょう。

とあります。

覚えておくことは1つだけです。

 

飛行機はPithPowerで操縦

これを実施するためには理論を理解しておかないといけません。

はじめに、この図を理解してください。(数式を含めてWordで作成していますので画質についてはご容赦ください)

釣り合い

釣り合いの式

 飛行機にはそれぞれの機体ごとに目安のPitchとPowerがあるので、はじめはそれに関する資料を先輩から引き継ぐなどして覚えることからはじめるといいと思います。一旦Attitude flightをマスターすると上下には動いてもそうそう大きく高度を外してしまう心配はありません。

外あるいはAI(姿勢指示器)を見て目安のPitch、エンジン計器を見てPowerを設定しておけばあとはその結果がVSI(昇降計)かA/S(速度計)に現れるのを待っていればいいのです。

具体的操縦方法は教科書等にお譲りして、原理は上の式で理解しておくといいと思います。釣り合いの式が書いてない教科書やネット情報がほとんどなので是非参考にしてみてください。

また、最後まで変形した式は他で見たことがないのでもし修正点があればご指摘いただければと思います。

標準率旋回とは

標準率旋回とは1秒間に3°の旋転率による旋回のことであり、バンク角は真対気速度(TAS)によって変化します。

なぜそんなものが決まっているのかというと、標準率旋回では時間と旋転量が一致するからです。
*旋転量:単位時間あたり何度変針するか
今回はなぜ一致するかについて書きたいと思います。
◆概算式(TAS)
標準率旋回のバンク角=(TASの10%)+(TASの10%/2)
e.g.TAS140ktならば(140×0.1)+(14/2)=21°
標準率旋回のバンク角=(3×TAS/20)
e.g.TAS140ktならば3×140/20=21°
といった具合です。
◆概算式(IAS)TASを高度ごとにその日の気温を考慮していたら時間がかかるので訓練での高度
IASの末尾の数字を削除して7を加えることで求められます。
e.g.140ktならば14+7=21°
◆TASに比例するなら旅客機は?
旅客機でTAS400ktだとするとバンク角は47°、という途方もない数字になります。
そんなことはあり得ないので、TASからの計算で25°より大きくなる場合は25°のバンクを用いるようです。
————————————————–
また、ロールレートも考慮しなくてはなりません。
これは
TAS/20です。
e.g.TAS140ktの場合、140/20=7sec
     21°のバンクを7秒かけて入れることになるので1秒間に3°、バンクを入れることになります。
     つまり、旋転率と一致します。【3°/sec】
◆ロールイン、ロールアウトに使えるか
ただ実際ロールインに7秒かけられるかというととてもゆっくりなので結構難しいです。
ロールアウトのリードの目安はバンク角の半量と言われていますがそれだけでは不十分で、
実際には自分のロールレートをいつも一定にし、標準率旋回確立までに方位がいくら変化するかをデータとして
知っておくべきだと思います。

Cancel IFR

Cancel IFR

目的:主に離島地域で間隔を縮めて効率よく運航するため。前回までの3つよりさらに自由。

・VFRなのでIFR含め他機とのセパレーションはとられない。

・Companyで禁止されているところもある。

・離島では出発機のためにも行われる。

実例は全て先輩パイロットから聞きました。やはり先輩の話は勉強になります。

私も計器飛行の学科の勉強をしているときは、なかなかイメージできなかったのでこれから勉強される方の参考に少しでもなればと思います。

また、先輩パイロットの方々、ご指摘があれば是非よろしくお願いいたします。

 

 

Contact Approach

Contact approach(AIM671

目的:主にターミナルレーダー管制業務が行われていない飛行場への進入で、計器進入方式による進入許可が発出された後にパイロットが要求した場合に進入方式の全部または一部を省略するために行います。RWY目視しながらだからレーダー無し。

条件としては

・シーリングが進入開始高度以下でない場合。

・視程1500m以上。(レディオ、リモートは通報するのみでいい)

また

・IFRとのセパレーションは管制間隔によって確保されています。

そのため上限高度が指定されていることがあります。

contact APP

 

 

 

 

 

 

最低待機高度MHA[3]とは、航空路上の1地点に設定され、その地点において、IFRの航空機が上空待機できる最低高度のこと。と略される。(Wikipedia)

Contact Approachは名前が近いのでVisual Approachとのちがい、という覚え方から入る方が多いと思いますが、実運航でどういった場で使うのかを知ったうえで考えると覚えやすいですしその後の勉強にもなると思います。

 

 

Circling Approach

Circling Approach(AIM633

目的:前回のVisual Approachに出てきたMVAとシーリングの条件が満たされない時でもレーダー無しで効率よく

トラフィックをコントロールするため。

・ILSでRWY見えるまで下げてみて見えたらサークリングする。

・最小でMinimumの高度まで下がってくる(600ftとか。)DWもその高さ。(ゆえに悪天時の方が飛行機ファンにとって迫力あり)

・サークリングミニマはストレートインミニマより高い。地上視程を適用。RVR非適用。

・サークリングのための安全地帯が決まっている。(サークリングアプローチエリア)

航空機の区分()により決まっている。その内での障害物無しが保障されている。

その外なら高度は何でもいいけど障害物の回避はパイロットの責任。

ATC:”Report break”

ATISでILS RWY27, usingREY09と言っている時がある。

速度によって区分が決まっている。最大着陸重量、L/D形態におけるVsoの1.3倍

A~Hの区分になっている。(AIM641)

余談 最近はサークリングとミニマムサークリングを分けた方がいいのではないかという議論が交わされているようです。

⇒なぜなら⇒人によってBreak高度が違ったらよくないから。

Visual Approach

VisualAPP

 

 

 

 

 

Visual approach
目的:空港を視認させて効率よくArrivalをさばくため。上図参照。
・シーリングMVA()+500ftの条件で管制官からも可能。
・レーダーベクターでDWまで誘導する。
・例えば、通常ILSだとFinalの10NMから乗っていかないといけないのを短縮できる。

ATC:”Vector to DW/Final.”

MVAはパイロットには公示されていないので判断はできない。
大体、山+2000ftくらいらいしい。

こんな感じで他のアプローチもざっくり説明していきたいと思います。

Approachの種類

IFRのアプローチには大きく分けて4種類あります。

計器飛行の学科の勉強をされる際に参照すべきAIMjの番号も書いておきます。

1.Visual approach /AIMj672
2.Circling approach /AIMj633
3.Contact approach /AIMj671
4.Cancel IFR

それぞれに条件があり使用用途があります。

次回以降ひとつづつ書いていきます。

WX minima

IFRの最低気象条件は4つに分類されます

1.離陸
2.着陸
3.離陸の代替飛行場
4.着陸の代替飛行場

それぞれに(1)ステートミニマ・・・AIP (2)カンパニーミニマ・・・運航規程
があります。

また、
単発機は着陸のミニマを下回ったら出発出来ませんが
多発機は着陸のミニマを下回っても離陸できます。
 その場合
双発機は1時間以内、3発以上の機体は2時間以内に着くことのできる代替飛行場の設定が必要です。

計器飛行証明を勉強し始めの時はあまり理解出来ませんでしたが分類すると上のようになります。

フォロー

新しい投稿をメールで受信しましょう。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。